座間味(ざまみ)島

画像沖縄本島の西の東シナ海に浮かび
沖縄屈指の美しい海と言われている慶良間
(けらま)諸島にある「座間味(ざまみ)島」に
行ってみました。


◆行き方
座間味(ざまみ)島へは那覇市の中心部から近い「泊(とまり)港」
からフェリーと高速船が出ています。
「フェリーざまみ」は一日1往復で所要時間は120分、「高速船
クイーンざまみ」は一日2往復で50分~70分で座間味島まで
行くことができます。どの便も同じ慶良間(けらま)諸島にある
阿嘉(あか)島を経由しますが、高速船では行きか帰りのどちらか
にのみ経由しています。
泊港にある旅客ターミナルは通称「とまりん」と呼ばれています。
この「とまりん」に行く方法としては「ゆいレール」の場合は「美栄橋」
が最寄駅になりますが徒歩で15分以上かかります。したがって
バスで行く方法が便利でお勧めです。バスの場合は「泊高橋
(とまりたかはし)」が最寄りのバス停になりますが、この「泊高橋」
のバス停は2ヶ所あって、遠い方のバス停から「とまりん」までは
ちょっと距離があります。近い方のバス停を通るのは「久茂地経由」
のバスとなります。「牧志経由」や「国際通り経由」と書かれたバス
では遠いバス停になり時間もかかるので注意が必要です。
一番分かりやすくてお勧めの行き方としては、モノレール「県庁前」
の駅前にある「県庁北口」のバス停から系統番号は関係なく「久茂地
経由」と書かれたバスに乗る方法です。複数の系統が走っているので
すぐにバスはやってきます。



座間味島は那覇市の西方約40kmに点在する慶良間(けらま)諸島
に属していて周囲は約23.3km、面積は約5.9平方kmの大きさが
あります。慶良間諸島は20以上の島々からなりますが、人が住んで
いる島はこの座間味島と、渡嘉敷島、阿嘉島 慶留間島の4島のみで
他はキャンプやダイバーなどで一時的に人が上陸したりしますが
基本的には無人の島なのだそうです。

座間味島と言ってまず思い浮かぶのは「ダイビング」ですが、冬場は
「ホエールウォッチング」のスポットとしても有名です。この周辺の海は
1月から3月後半にかけてザトウクジラが出産と子育てのために
やってくるそうです。一時は乱獲のためにまったく見られなくなった
そうですが、今ではどんどんその数が増えていて、回遊してくる
クジラは500頭程度いると言われています。そして最近ではクジラ
の個体識別ができるようになって、前年と同じクジラがきたのかどうか
までわかるのだそうです。海上に現れる時間はほんの僅かなのに
すごい技術です。

今回は泊港からフェリーで座間味島まで行き、徒歩でいける範囲を
まわった後に夕方の高速船で戻ってくるルートを辿りました。


■泊港の「フェリーざまみ」
 泊港に停泊中のを「フェリーざまみ」です。かなり大きな船で定員は
 380名です。ざまみのフェリー乗り場は「とまりん」のすぐ目の前
 なので便利です。高速船の乗り場は泊港北岸なので「とまりん」
 から徒歩で6~7分かかります。
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■出航
 フェリーは定刻に泊港を出航しました。前をゆく船は同じ出航時刻
 の渡嘉敷島へ向かう「フェリーけらま」です。座間味島も慶良間
 (けらま)諸島なのでちょっと紛らわしい名前です。向かう方向は
 同じなのでしばらくは並走するような形で進んでいきます。
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■阿嘉(あか)島港入港
 泊港から約1時間半、阿嘉(あか)島に立ち寄ります。阿嘉島は
 座間味島の南西に隣接する島で面積は約3.0平方km、周囲は
 約11kmあって、座間味島よりひと回り小さい感じの島です。
 利用者が多いようで半数近くの人が降りてきました。
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■阿嘉大橋
 阿嘉島港のすぐ横にはひと際目をひく橋が架かっています。阿嘉島
 と慶留間(げるま)島を結んでいる「阿嘉大橋」です。2001年には
 「土木工学デザイン賞」の優秀賞を獲得したそうでフェリーからも
 その美しい姿を眺めることができます。ちなみに慶留間島はさらに
 その先の外地(ふかじ)島と橋でつながっていて、3つの島を歩いて
 渡ることができるそうです。行ってみたい。。。
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■座間味港
 阿嘉島を出発すると15分ほどで座間味港に到着します。船から
 見た座間味の集落と港の様子です。真ん中に見える赤い屋根の
 建物が旅客ターミナルです。向かって右側の岸壁にフェリーは
 着きます。一方の高速船は左側の浮き桟橋に着きます。
 真ん中に停まっている白い船はホエールウォッチング用の船の
 ようで、フェリーが着いたあとにたくさんのツアー客が乗り込んで
 いきました。
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■座間味港ターミナル
 座間味港の旅客ターミナルです。結構新しくて広いターミナル
 です。ここは沖縄本島から近い離島なので歓迎の言葉は本島と
 同じで「めんそーれ」でした。乗っていた乗客のほとんどはホエール
 ウォッチングのツアー客だったようであっという間にどこかに消えて
 しまい、ターミナル周辺は閑散としています。
 まずは島の集落を通って古座間味(ふるざまみ)ビーチを目指します。
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■座間味の集落
 座間味港がある座間味集落には島の人口のほとんどが集中して
 います。集落の中は小さなお店が並んでいて思っていた以上に
 栄えている感じでした。
 集落の中には「105ストアー」という名前のスーパーもありました。
 「105」というと100円ショップを思い出してしまいますが、もちろん
 そんなことはなくて、日用雑貨や生鮮食品だけでなく書籍や薬など
 もあり、何でも揃う便利なお店という感じでした。なんと夜も23時
 まで営業しているそうです。離島は日が暮れてしまうと人通りも
 途絶えて夜が長いイメージがありますが、23時なんて人が来る
 のだろうか?とちょっと疑問ではありますが。。
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■古座間味(ふるざまみ)ビーチ
 集落から歩いて約20分で古座間味(ふるざまみ)ビーチに着き
 ます。このビーチは沖縄本島周辺で屈指の美しいビーチとして
 有名ですが、噂に違わず本当に綺麗なビーチでした。美しい弧を
 描く海岸線は800mの長さがあるそうです。それにしても海が
 透明なことに驚きます。そして真っ白な砂浜から沖の濃い青色に
 向けての青のグラディエーションが見事で、息を呑む美しさです。
 誰もいないビーチというのもまた素敵です。
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■古座間味ビーチ2
 ビーチから正面方向の海を見たところです。沖に見えているのは
 渡嘉敷島です。
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■古座間味ビーチ3
 ビーチの端は岩場になっています。黒っぽい岩を通してみると海の
 透明さが一段とハッキリします。近くは薄いエメラルドグリーンの海
 なのに対して、岩場の奥は蒼いコバルトブルーの海が広がっていて
 黒い岩場を挟んでのコントラストが見事です。
 先日訪ねた八重山諸島の「竹富島」のコンドイビーチも透明な海
 でしたがそれと同じくらいの透明さと感じました。沖縄本島からすぐ
 近くにこれだけの美しい海があることが不思議です。
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■平和之塔
 古座間味ビーチから集落に戻り、今度は高月山展望台に向かい
 ます。集落から展望台へと続く山道の途中には「平和之塔」と
 「59名集団自決の地」という2つの戦争にまつわる碑があります。
 美しい風景の広がる慶良間諸島ですが、ここでは決して忘れては
 ならない沖縄戦での「集団自決」の悲劇がありました。沖縄戦は
 一般には1945年4月1日に米軍上陸開始とされていますが、
 それは沖縄本島への上陸日であって、実際にはその1週間ほど
 前の3月26日に慶良間諸島への上陸がおこなわれていました。
 上陸時の空襲と艦砲射撃は慶良間諸島合計で12,450発にも
 及んだそうです。一坪あたりに換算すると21発になるそうです。
 凄まじい砲弾の嵐です。対する日本軍は沖縄本島の襲撃に備えて
 いたために後手に回り、襲撃に対しては無抵抗状態でした。
 島の人々は米軍の上陸を予期して集団自決の道を選び、次々と
 死んでいったそうです。当時は米軍に捕まったら嬲り殺されるという
 うわさが広まっていて、嬲り殺されるくらいなら自ら死んだ方がよい
 という考えが広まっていたそうです。
 最近、この集団自決に関して日本軍の強要があったかどうかが議論
 になっています。これまで日本軍に強要されて集団自決に至ったと
 されていましたが、近年はこれと異なる証言がいろいろと出てきて
 います。それによると日本軍は自決を踏みとどまらさせ、自決のため
 に集まってきた人々を解散させたそうです。
 これらの議論の賛否については長くなるのでここでは述べませんが、
 一番大切なのは多くの何の罪のない人々が自決していったという
 事実なんだと思います。誤った考え方や情報の統制などによって
 彼らを死に追いやったことは紛れもない事実なのだから。。。
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■59名集団自決の地
 慶良間諸島における集団自決による死者は「渡嘉敷島」が一番
 多く326名で次いで座間味島の177名と言われています。当時
 の島民数は700名程度ですから約1/4ということになります。
 そんな中で一番の惨劇といわれているのが、村役場の三役らの
 15家族計67名が全員死亡したとされる「農業組合の壕」での
 集団自決といわれています。ここで死亡した59名のうち26名が
 小学生以下の子供だったそうです。当時の村長であった野村
 正次郎村長も3人の子供を道連れにここで死んだそうです。
 この壕の跡地は「59名集団自決の地」と呼ばれています。
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■高月山展望台
 高月山展望台は座間味港から一番近い展望台で座間味集落や
 慶良間諸島を一望できます。展望台は第1展望台と第2展望台の
 2つがありちょっと離れています。写真は第1展望台でこちらには
 屋根付きの休憩所があります。
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■高月山展望台-阿護の浦方向
 第一展望台付近から東の「阿護の浦」方向を眺めたところです。
 ここからの眺めは絶景です。「阿護の浦」湾内のエメラルドグリーン
 と蒼色の海の対比がとてもきれいです。美しい海に深い緑の半島
 そして島々が創り出す景観の美しさは座間味島の中でここが一番
 と感じました。
 「阿護の浦」を挟んだ向かいの半島は「留加比の鼻」と呼ばれて
 います。写真の右端の大きな島が渡嘉敷島、その左に見えるのが
 儀志布(ぎしっぶ)島で、2島の間にうっすらと見えているのが前島
 です。
 そして中央の奥に見えているのが黒島です。黒島の右方向には
 なんとなく陸のようなものが見えていますが、これが沖縄本島と
 思われます。
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■高月山展望台-集落方向
 この展望台からは座間味集落もよく見えます。思っていた以上に
 大きな集落でかなりの家が密集して建っています。またここからは
 慶良間諸島の島々もよく見えます。港の向こうに見える白いビーチ
 のある島は嘉比(かひ)島です。その左奥にある大きな島がフェリー
 が立ち寄った阿嘉(あか)島です。また嘉比島の右奥の大きな島
 が屋嘉比(やかび)島で、その手前に見える小さな島が集まった
 ように見える島が伊釈加釈(いじゃかじゃ)島です。
 この中で人が住んでいるのは阿嘉島だけであとは無人島です。
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■高月山展望台-南方向
 第一展望台から少し奥に進んだところに第二展望台があります。
 ここからは南方向の眺めを楽しむことができます。目の前に見える
 島が安室(あむろ)島です。周囲が5.3kmあってかなり大きな島
 ですがこれも無人島です。船で5分くらいでいけるそうです。
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■稲崎展望台への道
 今度は島の北部にある稲崎展望台を目指します。途中の道の
 様子です。森林の中を進む山道ですが所々で海が見えてとても
 眺めのよい道です。展望台まで30分くらい歩きましたが、車とは
 1台も出合いませんでした。代わりに農作業中の人と2人出会い
 ましたが、どちらの人にも挨拶されました。こうした離島では人と
 道で会うとほとんどの場合声を掛けてくれます。
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■稲崎展望台への道2
 稲崎展望台への途中で見えた景色です。道ばたからこんな眺め
 が見えてしまうのがすごいところです。道の片側は断崖絶壁に
 なっていて、その向こうにこの景色がみえます。カードレールは
 一応ありますが、車を停めたらすれ違うのも危ない感じの細い道
 ですが、まったく車は来ませんでした。見えている半島は島の北
 に突き出した「赤崎の鼻」と呼ばれる半島です。
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■稲崎展望台
 稲崎展望台からは島の北側の海がよく見渡せます。北側には
 島などはありませんが東シナ海が広がっていて、ここが格好の
 クジラ出現ポイントになっています。このためこの展望台には
 ホエールウォッチング協会の監視員たちやホエールウォッチング
 ボートを出しているダイビングサービスの監視担当者たちが
 待機していて、ここで双眼鏡を手にクジラを探しています。
 この日も5~6人の人たちが双眼鏡を片手にクジラを探していて、
 ウォッチングボートに無線連絡を入れて船を誘導していました。
 肉眼では全然わからないのですが、監視員たちは次から次に
 クジラを見つけているようでした。肉眼でしばらくがんぱって
 見つけてみましたが、それらしいものを数回見ただけではっきり
 とは確認することはできませんでした。
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■帰りのターミナル
 稲崎展望台での美しい風景と肉眼でのクジラ探しに夢中になって
 長居し過ぎてしまい、帰りのフェリーの時間がせまってきて慌てて
 フェリー乗り場のある座間味港に戻ります。ターミナルはホエール
 ウォッチングを楽しんだと思われる団体や小学生たちで結構賑わって
 いました。
 この時間に島から沖縄本島に向かうということは離島に通学して
 いるのか?とちょっと不思議でしたが、話を聞いているとどうやら
 本島の小学生が課外授業で座間味島に来ていたようです。
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■高速船「クイーンざまみ」
 そして高速船「クイーンざまみ」はやってきて那覇の泊港へと
 向かいます。200名定員の船内はほぼ満席でした。島内を
 散策している間にほとんど人には出会わなかったのに何処に
 こんなにたくさんの人がいたのか不思議でした。
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座間味島

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