伊良部島/下地島

画像伊良部(いらぶ)島は宮古島の北西約5km
に浮かぶ島で宮古島からは高速船で10分ちょっと
で行くことができます。また伊良部島の西側には
下地(しもじ)島が隣接して6つに橋で繋がって
います。この2つの島を訪ねてみました。


◆行き方
伊良部島への船は、宮古島の平良港から「宮古フェリー」と「はやて
海運」の2社が運航してします。「宮古フェリー」は高速船『うぷゆう』
を一日12往復、カーフェリー『ゆうむつ』を一日6往復運航していて、
一方の「はやて海運」も高速船 『スーパーライナーはやて』を一日
11往復、カーフェリー『はやて』を一日7往復運航しているので、
どちらに乗っても差はなくて便利です。所要時間は高速船が約12分、
カーフェリーは約25分です。
平良(ひらら)港は平良市街のはずれにあり宮古島の唯一の繁華街
である「西里通り」あたりからは徒歩で15分くらいかかります。
また、伊良部島の島内には路線バスが1路線走っています。
フェリーが着く佐良浜(さらはま)港と島の西部にある伊良部地区を
結んでいて、船の発着に合わせて一日7往復(土日は6往復)走って
います。ただし観光客向けではなくて島民向けなので使いづらいバス
です。(詳細は後述)



伊良部島は面積29平方km、周囲26.6kmの大きな島ですが
最高点でも88.8mしかなくて平坦な島です。一方の下地島は
伊良部島の西に隣接していて面積9.54平方km、周囲11kmの
小さな島です。
2つの島は40~100mの距離で3km以上に渡って接していて、
途中は6本の橋でつながっているため、川のある1つの島のように
見えます。実際に海岸沿いを歩いてみましたが、対岸がすぐ目の前
に続いているので本当に川のように感じました。

「伊良部」と聞くと昔ロッテにいて米メジャーリーグに移った暴れん坊
「伊良部秀輝」投手を思い出してしまいますが、やっぱり生まれは
伊良部島のようです。沖縄では苗字が出身地名と同じという人が
多くて驚きます。宮古島の平良港あたりでも「平良」という表札を
たくさん見かけます。でもこの場合は地名は「ひらら」ですが苗字は
「たいら」と呼ぶ場合が多いようです。

さて、伊良部島で今一番の話題は宮古島との間に建設中の「伊良部
大橋」です。2006年3月に工事が始まっていて2012年度には完成
予定だそうです。完成すると全長は3,540mになって、通行無料の橋
としては日本一長い橋となるそうです。現在の日本一は以前に訪れた
「古宇利(こうり)大橋 」の1,960mですから、それよりも1,500m以上
長くなるわけで2倍まではいきませんが、とんでもない長さです。
ちなみにあの有名な有料橋である「明石海峡大橋」でも 3,911m
ですからそれに匹敵する長さということになります。これが無料とは。。
往復約4kmの古宇利大橋を歩いた時でも大変だったのに7km以上
もある伊良部大橋を歩いて往復するなんて無理かも。。。
でも歩いてみたいですね。。

今回はフェリーが着く「佐良浜港」からまず路線バスで伊良部地区
まで行き、そこからは徒歩で「佐和田の浜」から下地島に渡り、
下地島の北側をぐるりと回って伊良部島の「渡口の浜」へ出て、
2つの島の接している沿岸を通って伊良部地区に戻ってきて、再び
バスで佐良浜港に戻るルートを辿ってみました。
歩いた距離は全部で15kmくらいもあり、おまけに途中から雨が
降ってきてちょっと大変な離島の旅でした。



■まりんぴあ みやこ
 平良港にある旅客ターミナルは「まりんぴあ みやこ」と呼ばれて
 います。隣には市民ホールとホテルが隣接していて、ビルが少ない
 宮古島の中では珍しく大きな建物が並んで建っている場所です。
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■平良港の『スーパーライナーはやて』
 平良港に停泊中の高速船『スーパーライナーはやて』です。
 これで伊良部島を目指します。高速船なのですが自動車を搭載
 できます。つまりスピードの速いフェリーということです。石垣島や
 沖縄本島の離島ターミナルでは高速船というと人しか乗れない
 小さな船を指しますが、ここではとても大きな船でした。
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■伊良部島 佐良浜港
 平良港を出た『スーパーライナーはやて』は船旅を楽しむという感じ
 ではなく10分ちょっとで伊良部島の佐良浜(さらはま)港に着きます。
 本当にあっという間です。まぁ橋が出来るくらいの距離ですから。。
 佐良浜港の桟橋近くには「サンマリンターミナル」という旅客ターミナル
 があってお土産品、おにぎり、パンなどの食料品を売っています。
 この先、買い物が出来る場所があるか不安だったのでおにぎりと
 パンを買い込みました。
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■佐良浜の集落
 佐良浜港の前にある佐良浜の集落です。伊良部島には大きな2つの
 集落があります。この佐良浜周辺の「佐良浜」集落と、島の反対側の
 「伊良部」集落です。「伊良部」には昔から島に住んでいる人が多く、
 ここ「佐良浜」には池間島からの移住者が多いそうで、同じ島内で
 ありながら方言がまったく違ってお互いに通じないそうです。
 まぁ、我々にはどちらも分からなくて同じに聞こえますが。。
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■路線バスの車内
 路線バスはターミナルのすぐ横から出発しますが、バス停には
 なぜか時刻表がありません。強風か何かで外れてしまったのかと
 はじめは思ったのですが、島内でいくつか見たバス停すべてに
 時刻表がなかったので最初から記載されて無いと思われます。
 で、停まっていたバス車内に入ってみると、車内に時刻表が貼って
 ありました。つまりはバスに一度乗らないと時刻が分からない訳で
 毎日利用する学生や通勤者のためのバスということのようです。
 そして、しばらくして船が到着すると7~8人が次々に乗り込んで
 きてバスは発車しました。前のおばさん2人が話をしていますが、
 何を言っているのかさっぱり分かりません。。完全なアウェー感を
 感じながらバスは先に進みます。
 それにしても時刻表のないバス停って。。。
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■伊良部の集落
 バスは宮古島のバスと同じように、バス停のアナウンスなどはなく、
 黙々と島内を走っていきます。そして集落にきたかなと思ったら
 誰も降車ボタンを押していないのに暗黙の了解のようにバスが
 停車してドアが開き、みな降りていきます。私も慌てて降りました。
 バス停名は「スーパーみなみ前」でした。この次が「車庫」なので
 ここが事実上の終点のようです。それにしても不思議なバス体験
 でした。
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■佐和田の浜
 バスを降りて伊良部の集落から5分ほど歩くと「佐和田の浜」が
 あります。青い海の中に大きな岩が点在する何とも不思議な風景
 です。1771年の「明和の大津波」で運ばれてきた岩だそうです。
 先日訪ねた「東平安名崎」にも大きな岩がたくさん点在していましたが、
 本当に津波の恐るべきパワーを感じます。
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■下地島パイロット訓練飛行場
 「佐和田の浜」沿いを進んでいき橋を渡ると下地島です。そして
 さらに進んでいくと「下地パイロット訓練飛行場」に突き当たります。
 ここは日本で唯一のジェット機のパイロット訓練のための飛行場
 です。この日は残念ながら訓練は行われていないようでしたが
 ジャンボ機などのいろいろなジェット機が離陸・着陸(タッチアンド
 ゴー)を繰り返す姿を眺めることができるそうです。
 大型のジャンボ機が着陸してきて車輪を地上に着けたと思ったら、
 すぐにまた離陸していく姿はとても美しくて迫力があり、一度見ると
 やみつきになってしまい、訓練が終わるまでここから離れられなく
 なるそうです。この飛行場は羽田などと同じ3000mの滑走路が
 あって、以前は民間機も就航していましたが利用者が少なくて
 3年で休航になってしまったそうです。伊良部島/下地島の人口
 を考えれば当然かもしれません。そして今はパイロット訓練専用
 の飛行場になっています。滑走路脇の海岸線沿いの長~い道を
 ひたすら歩きます。先が見えません。
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■魚垣(かつ)
 飛行場脇の沿岸浅瀬には魚垣(かつ)と呼ばれる古代漁業の跡が
 あり石碑が建っています。「魚垣」と書いて「かつ」と読みます。
 「魚垣」は遠浅の海に石を積んでそこに網を仕掛ける単純な漁法
 なのだそうです。遠浅の海に暮らす人達だからこその生活の知恵
 という感じです。
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■海へ延びる空港の誘導灯
 下地島の真ん中を縦断する形で滑走路があるので島を横断する
 ために北側を回り込む形で滑走路脇を進んできます。さすがに
 3000m級の滑走路、いくら歩けど端にたどりつけません。そして
 やっと北端までくると、滑走路へと続く誘導灯がエメラルドグリーン
 の海の中に延びている美しい風景が待っていました。
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■下地島西岸
 島の北端を回り込むと今度は滑走路の西側を南下していきます。
 南下しはじめてからすぐの所に見えた浜で白い砂がとてもきれいです。
 この辺りまでは海が見えていましたが、ここからはずっと森林の中を
 歩くことなります。そして運悪く雨が降ってきました。雨の中を
 とぼとぼと歩いている姿が哀愁を誘うのか、追い越していく車から
 何度も「乗っていく?」と声を掛けられました。島の人達は温かい
 です。。若いお姉さんから声をかけられた時は気持ちが揺らぎ
 ましたが、丁重にお断りして「徒歩」で先を目指します。歩いている
 人などはまったくいないのでよほど珍しかったのでしょう。。。
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■通り池
 島の北端から歩くこと30分ほどで「通り池」にたどり着きます。
 飛行場以外にはほとんど何もない下地島で最大の観光名所と
 いえる場所です。ここには昔からいくつかの神話が伝わる神秘的
 な2つの池があり「龍の目玉」とも言われています。
 そしてこの池の最大の特徴は何と言っても神秘的なその色です。
 ほとんど黒に見える紺碧の水を湛えている池で、周辺のあざやかな
 緑やすぐ近くに見える青い海との対比がみごとな風景を創り出して
 います。本当に不思議な眺めです。実はこの池は地下で海と
 繋がっていてダイビングで通り抜けることができるのだそうです。
 海と同じ水が創り出しているとは思えないほど黒く見えます。
 池が黒い岩で覆われているためにそう見えるようですが、それだけ
 透明な水ということなのでしょう。。
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■通り池の遊歩道
 「通り池」の周辺は遊歩道として整備されていて、ごつごつとした
 岩場の中を散策することができます。先に東屋が見えて遊歩道が
 続いているように見えますが、実はここで行き止まりになって
 いました。何年か前の台風で遊歩道がずたずたになってしまった
 そうで、ようやくここまで復旧したのだそうです。台風の通り道で
 ある宮古諸島では台風で大きな被害を受ける観光地名所が多く、
 その維持は大変なようです。
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■下地島巨岩 
 「通り池」からさらに南に進むと「下地島巨岩」があります。この岩
 も「佐和田の浜」あたりで見たたくさんの岩と同じように「明和の
 大津波」で打ち上げられた岩といわれていて、高さは12.5m、
 周りは59.9mもあり、その重さは推定不能だそうです。。
 津波の推進力というのは本当に恐ろしいものです。当時は
 このような岩がたくさん打ち上げられていたそうですが、飛行場
 の建設の際にほとんどが破壊されてしまったそうです。そして
 残ったこの巨岩には、いつしか民間信仰が起こって大漁、航海安全、
 家内安全などの守護神として祀られるようになって、横に鳥居まで
 建てられています。海岸線の岩場の中に突然と赤い鳥居が現れて
 ちょっとびっくりさせられます。
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■下地島巨岩 帯岩
 この巨岩は中央がやや引っ込んでいて人間が帯を締めている姿
 に似ていることから「帯岩」とも言われています。確かにお相撲さん
 のような大きなお腹に帯を締めている姿に見えなくもないか。。
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■中の島ビーチ
 さらに南に進むと「中の島ビーチ」があります。ここは地元だけ
 でなく宮古島などからもたくさんのダイバーが訪れるほど有名な
 ダイビングポイントなのだそうです。
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■そして伊良部島へ
 中ノ島ビーチから南に1kmほど進むと滑走路の南端まできて、
 そこから今度は東に進みます。空港をほぼ一周する感じになります。
 ここからは海も見えなくなり、畑の中の道をただひたすら歩き続け
 ます。この約3kmは何も観光スポットらしきものはなく、おまけに
 雨も強くなってきてちょっと辛い道のりでした。電線工事用のはしご
 の付いた黄色いストライプの作業車に乗った運ちゃんにも声を掛け
 られてしまいました。。。そしてやっと伊良部島との間の橋にたどり
 着きます。川に架かる橋のようですが実は海に架かっている橋です。
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■渡口の浜 
 橋を渡って伊良部島に入り、しばらく進むと伊良部島を代表する
 海水浴場である「渡口の浜」に着きます。真っ白な砂にエメラルド
 グリーンの海が輝くとても美しいビーチです。雨が降っていて空は
 暗いのに何故こんなに明るく輝いてるのかとても不思議です。
 遠浅の白い砂浜に透明な水があるので、白からエメラルドグリーン
 への微妙な変化が何ともいえない色合いを創り出していて、
 しばらく見とれてしまいました。美しい眺めです。
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■島の間の眺め
 伊良部島と下地島との間の海岸線沿いを伊良部の集落を目指して
 歩いていきます。途中には小さなマングローブ林などもあって美しい
 眺めが続きます。海の向こうに見えるのは下地島なのですが、
 このような風景が続いていて、どう見ても川にしか見えません。
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■島のコンビニ
 そしてどうにか伊良部の集落に戻り、行きのバスの中で確認
 しておいた時刻にバス停で待つと、ちゃんとバスがきて佐良浜港
 に戻ることができました。バスの中からは島で唯一のコンビニで
 ある「ファミリマート」が見えました。のどかな畑の中の道に突然
 コンビニが現れるのでちょっと違和感を感じます。ファミりーマート
 は大手コンビニの中で唯一宮古諸島に進出していて、伊良部島
 の1軒の他に宮古島内にも数軒あります。八重山の石垣島でさえ
 大手コンビニは1軒もないのに、こんな小さな島にあるというのは
 ちょっと意外な感じです。
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伊良部島/下地島
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この記事へのコメント

みんみん
2011年09月04日 16:02
何年か前に家族で伊良部島に渡りました。サイクリングでしたが下地島を結構ヒーヒー言いながら自転車をこいでいた記憶があります。歩いて回ったなんて凄いですね。
びらふ
2014年08月25日 00:14
みなみスーパー
最近行きました。
方言で言えば判らないと思って地元の客と話てるが、地元以外を余りにも馬鹿にしてる会話でした、。
毎年里帰りで帰ってるので、方言で話している内容は分かるけど、余りにも馬鹿にしすぎ